愛されることの奇跡、愛することの軌跡
『そうか。でも勉強ばっかりじゃなくて、時に健吾には全力で向き合って愛してやって欲しい。遠慮や躊躇はしないで、言葉や態度でたくさんアイツに愛情を注いで欲しい。それが俺の玲奈っちに対するお願いだよ』

そんな、簡単なこと?

『アイツは、ことごとく愛のない人生を送ってきている。だから、人の愛し方も不器用かも知れない。時に玲奈っちも泣かされるようなことがあるかもしれないけど、どうか、健吾を信用して欲しい』

テッちゃんはそう言うと、体を私に向け、私を真剣な眼差しで見つめた。

『玲奈っちが思っている以上に、健吾は君に惚れてるよ』

テッちゃんは微笑んだのち

『玲奈っちが健吾に食べられるのも、時間の問題かな』
「ちょっとぉ、仮にもテッちゃんは教師でしょ?そんなこと言ってもいいの?」
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