愛されることの奇跡、愛することの軌跡
"最後に"と健吾さんはまとめる


『内戦が起こるということは、政府に国を統制する力がないということだ。今だってそうだろ?いろんな国で内戦が起こっているのは政府に力のない国なんだ。この西南戦争という内戦が起こったことを機に政府は"富国強兵"の考えをより一層強くし…日本は、間違った方向に向かうきっかけになってしまったと、俺は思っている』


―キーンコーンカーンコーン―


『終わるぞ。学級委員』


私はもうすっかりそのタイミングには慣れた。


「起立!」


健吾さんの授業を受けると、いろいろ考えさせられるんだよね。


ミサトはあくびをしているけどね。


『玲奈ってすごいね、ケン…先生の授業だと退屈そうにしないよね』


"さすが相思相愛"と耳打ちされ、私は恥ずかしくなった。


「ミサト、からかわないでよ。あなたたちには、敵いません」


『またまたぁ』


ミサトはニヤニヤしながら私を冷やかした。
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