愛されることの奇跡、愛することの軌跡
『私ね、あの日本人学校は玲奈ちゃんが日本に戻ることになった時と同じタイミングで辞めてるの』


相楽先生は私に語りかけるように言う。


『あなたと同じように、私もあの出来事にショックを受けた1人でね。玲奈ちゃんとは比較にならないと思うけど』


やっぱり、第一発見者だもん。私の姿を見たら、ショックだったよね。


『一番最初に見つけたから、だけじゃないの。私は、当時原口先生の恋人だったから』


え?


原口先生と相楽先生がお付き合いしていた?


確かに、原口先生はカッコ良かったし、相楽先生は今見たってお綺麗な方。


なら、なぜあの時私を…


『あの日の1週間前に、私達は激しくケンカをしたの』


相楽先生はそう言うと立ち上がって窓のそばに行き、窓越しに外を眺めた。
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