愛されることの奇跡、愛することの軌跡
健吾さんがまず、墓に柄杓で水を撒き、既にある花にさらに持参した花を挿し、線香を添えて手を合わせて目を閉じる。


その動作が終わると、しばらく墓を眺めていた。


『玲奈、おいで』


少し離れていた私を健吾さんが呼ぶ。


そして私も、墓前に手を合わせた。


紅葉さんにご挨拶した。


伝わったかな。


すると、健吾さんが私の横に並んだ。


『紅葉はね、身寄りが全くない、天涯孤独の女性でさ。でもそんな寂しさを微塵も感じさせない笑顔と明るい性格が、俺の心に響いてさ。凄く魅力的だったんだ』


「会ってみたかったな」
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