愛されることの奇跡、愛することの軌跡
『遅くなりました。午前中部活だったんです。玲奈さん、お久しぶりです』


このみちゃんはペコリとお辞儀をした。


『それと、玲奈さん、本当にごめんなさい。巻き込んでしまって』


このみちゃんは一度上げた頭を再び下げた。


『とりあえず、座ろうよ』


と、陽平が言うまで、このみちゃんはずっと立っている勢いだった。


ここは4人席。


座席のスペースは十分にある。


陽平が奥につめて、空いたスペースにこのみちゃんが座った。


『俺達はごはん食べてるけど、お前は済ませてきたんだろ?』


『うん。お弁当食べてきちゃった』


『なら、何かデザート食べたら?』


『やったぁ』


と、嬉しそうにデザートメニューを見るこのみちゃんとそれを優しく見つめる陽平のやりとりは、見ていて何だか微笑ましい。


とてもピンチな状況のようには見えないんだけど。
< 320 / 548 >

この作品をシェア

pagetop