愛されることの奇跡、愛することの軌跡
『お父さんと大喧嘩して、家を出ちゃったんです。今は向かいの陽平の家でお世話になってるんですけど、それも限界で』


どうやら、このみちゃんのお父さんに居場所を発見され、陽平の家の前で言い合いになる毎日のため、近所から苦情が出ているらしい。


『だから、お願いがあるんです。私を、玲奈さんのお家にしばらく置いていただけませんか?』


"それはダメだね"


目線が下向きだった私は、声で分かった。


来ないと思っていた、愛しい人の声。


『健吾さん』『先生』


陽平とこのみちゃんは反応したけど、私は声にならなかった。
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