愛されることの奇跡、愛することの軌跡
ふと、私は窓の外を見た。


ここは国道沿いのファミレス。


道路を挟んで向かい側


花屋さんがある。


目線をたまたま合わせてみたら、どこかで見覚えのある女性が花束を作っていた。


「あれ?」


実穂、さん?


『どうしたの?』


「あそこにいる花屋の人、似てるんだよね、健吾のお姉さんに」


しばらく観察してたけど、とても楽しそう。


『声掛けてみれば?』


「ううん。仕事の邪魔になるだろうし」


成瀬川のお嬢様が花屋でバイト?


お金になんて困ってないだろうし…


人それぞれ、家柄があるだろう。


成瀬川のひとり娘だけど夢があっても不思議ではない。


もし、花屋で働くことが、実穂さんの夢への努力の一環であるのなら…
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