愛されることの奇跡、愛することの軌跡
翌日、予備校の後に改めて同じ花屋に行ってみた。


…いた!


昨日は美郷に"仕事の邪魔になる"と言ったけど、どうしても気になって…


お客さんもいないみたいだし、私は、思い切って声を掛けてみた。


「こんにちは」


『いらっしゃいませ…あれ、玲奈ちゃん?』


「はい。実穂さんですよね」


『バレちゃったか。この辺りなら誰も来ないと思ったのに』


「友達の家の近所なんです」


もしかしたら美郷のことをテッちゃんの彼女と言えば通じるかも知れなかったけど、あのふたりがどこまでの範囲で関係を明かしてるのかわからなかったので、名前を出すのは止めておいた。
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