愛されることの奇跡、愛することの軌跡
午前中は水族館でイルカとかペンギンとかジンベエザメとかを見て。


午後は絶叫マシーンに乗って…とは言っても私は苦手なので、ずっと目をつぶって"キャー"って叫んでたけど。


絶叫マシーンを降りると、多分私の顔色が悪かったのかな。


健吾は木陰のベンチに座らせて、


ここは、割りと人通りが少ないから、帽子とサングラスを外して、健吾は私の肩や背中をさすってくれた。


『絶叫マシーン、苦手だったんだな。ごめんな、怖い思いさせて』


「いいの、このくらいは我慢できるもん」


『我慢?そんなのダメだよ』


健吾はずっと私の背中をさすりながら言った。


『玲奈が嫌いなこととか苦手なことは極力避けるようにするからさ。正直に言って?』


健吾はそう言って首を傾けた。


「そんなこと言って、私を甘やかさないでよぉ」


私は健吾から少し離れて体は健吾の方に向けたままベンチに両手をついた。
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