愛されることの奇跡、愛することの軌跡
『前菜をお持ちいたしました』


と、互いの近くに前菜が乗ったお皿が並べられる。


詳しい内容の紹介をしたのち、


『私は当ホテルのレストラン部に所属しております、井上と申します。健吾とは、ナルガク高等部までの1年先輩にあたります』


と、私に向かって挨拶された。


「あ、あの、金澤玲奈と申します。ナルガク高等部の3年生です」


思えば、健吾と出会ってから、自己紹介することがやたらと増えた気がする。


健吾の友人知人を紹介されてるせいだよね。


私の知り合い、紹介出来てないなぁ。


今の環境じゃ、無理かぁ。


『先輩、今日はありがとうございます』


健吾は井上さんにお辞儀をした。
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