愛されることの奇跡、愛することの軌跡

・愛し合った余韻~side KENGO~

《side KENGO》


「玲奈、これからどうしたい?」


今日は日曜日。


時間は昼。


『まだ、帰りたくない…』


まだ動き始めていないホテルの駐車場にとめている俺の車の助手席で、玲奈は俯いた。


「何したいか、希望はある?」


『健吾の家に行きたい』


即答だった。


「了解」


俺の家で何をしたいかは決めていない。


でも俺だって、とにかく玲奈と1秒でも長く一緒にいたいから…


意見一致。


ランチを途中のファミレスで済ませた後、スーパーに寄った。


ご飯を作りたいと玲奈が言ったから。


『何が食べたい?』


「そうだなぁ…肉じゃが!」


『それ、先週うちで食べたじゃん』


「玲奈が作ったのが食べたいの」


『じゃぁ、じゃがいも、人参、玉ねぎ…』


こんな会話が毎日玲奈とできるようになればいいな。


玲奈と一緒に休日、どこかに出掛けることが日常になるといいな。


俺はそれが、最大の夢なのかも知れない。
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