愛されることの奇跡、愛することの軌跡
『32日、かな。先週の土曜日に来たから、今は9日目』


「そうか。間もなく危険日、だね」


『そう、かな?』


先週の土曜日って、玲奈が俺と一緒に父さんと会った時じゃん。


あの時、玲奈は具合悪そうな風に見えなかったから、痛みも軽いのだろうか。


うちは実穂がそりゃ酷くて、ピーク時には顔面蒼白、痛みで歩行も困難になるし、機嫌も悪くて最悪なんだよな。


最近は、わからないけど。


玲奈と一緒に後片付けをする。


これは、この間やったかな。


でも、あの時と今は、違う。


肌を合わせたか合わせてないかで、玲奈への接し方が違う。


皿洗いが終わって、玲奈がキッチン周りを拭き掃除をしているところを、背中から抱き締めた。


『もぅ、掃除できないじゃない』


「玲奈ぁ、可愛いんだもん」


俺は知っている。


玲奈が俺の甘えた声に弱いことを。


だからごめん。


時々、使わせてもらうよ。
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