愛されることの奇跡、愛することの軌跡
でも健吾は当然だけど、淡々と名前を呼んで行く。


『木内美郷、岸めぐみ、佐藤百合…』


全員の名前を呼び終えると、健吾は教室を見渡した。


『全員に出席してもらえたことに、感謝するよ』


『私達も、先生の最後の授業を受けられて、嬉しいよね』


岸さんが健吾の言葉に返事をした。


『岸、お前ちょっと痩せたか?』


『あ、先生気付いた?ダイエットしたから』


『へぇ、どういう風の吹き回し?』


確かに、岸さんは割りとふくよかな体型の女の子。


お昼もチョーデカ弁持ってきていた子。


『私だってね、好きな人のひとりやふたり、できるじゃん?それなのにその人に太った体、見せられないじゃん』


岸さんの言葉にみんなで笑った。


『好きな人はふたりいらないだろ。ひとりにして、無理なく痩せるんだぞ』


『はぁい』


岸さんは"敬礼"のポーズをして健吾に返事をした。
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