愛されることの奇跡、愛することの軌跡
『あ、金澤、済まない。俺、寝ちゃってた?』
「はい。だから私がジャケットを掛けてここに来た証拠を作って退散しようと思ったんです」
『可愛くないこと言うなぁ』

先生はあくびして伸びをした。

「今日は何の用事ですか?」
『明日の話』
「明日…先生が合奏を見学しにいらっしゃることですか?」

明日は、一週間ぶりの合奏だ。

『いや、その後の話』

明日って、その後は徳重先生のお家ですき焼きパーティーじゃん。

「私、予定があるので18時にはここを出たいんですけど」

それこそ、練習終わってダッシュしたいので、先生に予定を入れられたくない。

『俺も18時は無理にしても、それに近い時間に学校を出るよ』
「じゃぁ、時間ないですよね?」

すると、先生が思わぬことを口にした。
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