偽装アイ。
今井くんの体が震えていた
多分、泣いてるんじゃない
ほんとに嬉しかったんだと思う
私はそのまま黙っていた
今井くんが落ち着くまで
彼の腕の中で…
「ごめんね、急に抱きついちゃって」
家の近くまで来て今井くんがいった
ってか、いつの間にか手つないじゃってるんですけど…!!
私はそこには触れずに返事をした
「う、ううん!!大丈夫だよ」
私が笑顔で答えると今井くんは少し笑って話してくれた
「斉藤さんの言う通り…
俺の周りの人たちは俺の友達じゃない
しかもほとんどの人の名前を知らない」
そりゃ、あれだけ人数がいたらね…
みんなの名前知ってたら全校生徒の名前知ってることになる
「最初は嬉しかったんだ、友達がたくさん出来たって…
でも、途中からいつも周りにいた女子たちが俺に告白してきたりして…
それもね最初は嬉しかったよ、でもほんとの俺を知って告白してきてくれた子は一人もいないって気づいたんだ…」