君の居場所
ドカッ バンッ ドンッ
『しょうがないわね。
私が殺るから、頼斗は、頼斗だけは、守って!』
俺は、母さんが言ったこの言葉が、
母さんの口から発せられた最後の言葉だとは、知りもしなかったんだ。
『母さんっ』
そう言うと、ドアを開けようとした手を止めて、こちらを笑顔で見た。
行かないでっ
母さんっ
死んじゃ、やだよ
死なないでね おねがい、だから
そんな心の叫びは届かなくって。
手を伸ばしても、届かなかった。
母さんは、靴箱の中に隠し入れた刀を取り出し、ドアをゆっくりと開けた。
『こっちだっ!頼斗、早くこいっ』
父さんが小声で叫ぶ。
『お前達の相手は私だっ』
母さんが冷たく言った。
あんな母さんの声は、一度も聞いたこと無かった。