君の居場所
ふぅっと、頼斗が息を吐いた。
「違うだろ、お前は〝悠〟なんかじゃない。
きちんと本当の名を言って。」
本当の名って、そんなに大事かな?
そう思ったけど、とりあえず私は改めて名を名乗った。
「・・・藤澤春音、です」
そう言った瞬間、縲さんの手がまた私の頭に乗った。
「そうか、藤澤、か。
それに・・・春音、いい名だな。」
縲さんの顔が一瞬険しくなった気がしたけど、それは私の見間違いだろう。
だって、優しく微笑んできくれたから。