君の居場所



「小野頼斗・・・」



「だーかーらー、名前で呼べって。

頼斗でいいから。な?」



あの意地悪そうな、いたずらっぽい、無邪気な笑顔を見せる。



ドキッ



な、何なんだ?

この心臓が―――、チクリとくすぶる。



「頼斗」



一言言えば、



「ん?」



と、優しく囁(ささや)く。



「学校、行かなきゃ。」



「お前、どこなんだ?」



「何が?それに、僕には名前がある。

赤城悠っていう名前が。」



ほんと、失礼な奴。



「本当の名は?女なんだろ?」



え?何で知って・・・。

顔立ちが女っぽいのかな?

これでも学校の女から騒がれているんだけど。

ばれたならしょうがないか。



「そうだよ。本当の名は―――・・・春音」



「春音か。いい名だ。春音の学校はどこだ?」



ああ、それが言いたかったのか。



「この近くだと思うんだけど、条坂(じょうさか)高校だよ。」






< 55 / 174 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop