君の居場所
『え・・・うん、わかった。』
そう言って、春音は上に上がって行った。
『頼君、あなた、あの事聞いたのよね?』
あのことって?
何のこと?
言おうにも、言えなかった。
きっと〝娜麝〟の事だと、幼いながらに悟ったから。
『あのね?
私達の所も、そうなの。
藤澤(ふじさわ)家は、代々・・・制裁屋として働いてきた。
私達も、娜麝なのよ。
あなた達、小野家と同じ―――。』
その時、俺は分かった。
春音にも、そのような運命が、訪れる事を。
『私達は、この強すぎる力のせいで、いろんな人から狙われる。
いつ殺されるかも、分からない―――・・・』
何を言っていいのか分からなかった。
『もし、春音に何かあったら―――頼むわよ?』
『うん、わかった。
春ちゃんはおれが守る!』
力強くそう言えば、頭を撫で撫でしてくれた。
俺が守らなくちゃ。
その思いは、とても強かった。