ライトブルー
それは私が小学校一年生の夏のことだった。
私は水が怖くて、なかなか泳げるようになれないでいた。海でもプールでも浮き輪かビート板にしがみついて、いつも涙目だった。
ある日、いつものようにビート板にしがみついていると、何者かが私の足を引っ張って、私を水中に引きずり込んだ。今でも忘れられない。
それが彰吾の仕業だった。
「面白かったなぁ」
と、しみじみ彰吾は笑う。悪意を感じた。
「ああ、あとさ、その後おまえ、俺のこと『イソギンチャク』とか言ってからかってきたよな」
「そうでしたっけ」
「うん。俺が高校生くらいの頃かな。おまえ、友だちとグルになって俺に石を投げつけてきたっけ」
「ああ、そうですね。そんなこともありましたね」
もう疲れた。これだから宴会は嫌なんだ。どう考えても時間の無駄。