ライトブルー



 バイトがようやく終わった頃にはもう日が沈んでいた。

「ただいまぁ」

「楓ぇ、おせーよ! おまえの大好物のあれ、ロードショー始まってらぁ」

浅黄の奴だ。

「……何であんた、うちにいるの? ていうかその映画、大好物でも何でもないし。じゃ、おやすみ。早く帰って」

 浅黄を振り切って、私はさっさと2階に上がった。

「楓ぇ! 楓ぇ! かーえーで!」

 今が貴重な夏休みだということを、私はもはや再認識できそうにない。


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