ライトブルー
「はい、夕飯できたよ」
私は牛丼を浅黄に差し出す。
「楓は?」
「瑞希と食べてきた」
浅黄は牛丼をひとくち食べるなり、
「何だよ、レトルトじゃん、これ」
「文句言うなら食べなくてよし」
気にくわない顔で牛丼を食べる浅黄を、瑞希はぼんやり見ている。
「……私、そろそろ帰るね」
「え、もう帰っちゃうの?」
「うん、もう夜遅いし」
瑞希はソファーから立ち上がった。
「ありがと。また明日ね」
手を振りながら瑞希は帰ってしまった。