ライトブルー



 浅黄はテレビをつけた。一方、瑞希はかしこまった姿勢を崩さずにソファーに座っている。聞こえてくるのはテレビの音だけだ。

 おいおい、大丈夫か……?

「あ、えっと……浅黄くんってどこの学校通ってるの?」

「T大学です」

「へぇ、学部は?」

「文学部です」

「そっかぁ……」

 また沈黙。テレビが鳴る。
 浅黄ったら気がきかないにもほどがある。いつも話題性のあるドラマとかバラエティーとか見てるのに、なぜ今日に限ってニュース番組ばかり見てんだろう。いっこうに話が弾まない。これじゃあ瑞希がかわいそうだ。


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