Be happy!

定時のチャイムが鳴っている。
私は未だに散らばった書類を片付けることができない机上を見渡して、大きく息を吐いた。



そんな私の隣りで、バッグを引っ提げた麻美さんが私の顔を覗き込む。



「結衣ちゃん、ごめんね。先に帰るね」



と言い残し、早々に帰って行く。



麻美さんが残業することができないのは仕方ない。今日は四週に一度の健診があるから。



今朝、突然舞い降りた仕事の担当は松原主任。補助を任されたのが私。
当初は定時内には終わるだろうと思っていたのに、この調子じゃ……



「水野さん、ちょっと休憩しようか」



イライラが募ってきた頃、こんっと私の机を叩いたのは松原主任。声は比較的優しく聴こえるのに、見上げた表情はやっぱりちょっと怖い。



「はい」



返した声が強張ってしまったことに、松原先輩は気づいただろうか。






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