Be happy!
「何飲む?」
と言って、松原主任が自販機に千円札を投入する。私を振り向きもしない横顔が、やっぱり怖い。
「ありがとうございます」
本当にいいのか、びくびくしながらボタンを押した。
休憩所の小さなテーブルにカップを置き、時計を見上げたら二十時三十分を過ぎたところ。こんな時間まで残業したのは久しぶりかも。
「水野さん、遅くまでごめんね。今纏めてもらってる資料、どれぐらいでできそう?」
「はい、ありがとうございます。あと三十分もあればできます」
本当に申し訳なさそうな松原主任の声に答えて、顔を上げた。
そこには、見たことない表情の松原主任。切れ長の目を細めて、口元には緩やかな弧を描いて、私を見下ろしている。
怖いはずの松原主任は……どこに?
今まで松原主任と仕事をしたことはあったけど、こんなに間近で見たのは初めてかも。
そもそも残業中に、お茶に誘われたのが初めて。