Be happy!
だけど、もういい。
隆太と付き合っていた頃の私とは違う。
自分で言うのは恥ずかしいけれど、私は綺麗になることができたはず。変わることができたはず。
隆太なんか忘れて、新しい恋を掴みたいと。隆太と付き合っていた頃よりも、もっと幸せになってみせるんだ。
これも、隆太に対する立派な復讐。
綺麗になった私に気づいてくれたのは、松原主任。もしかすると、麻美さんに勧められた香りに引き寄せられたのかもしれない。
抱いてくれていた腕を解いて、松原主任が私を見つめる。いつもの仕事中の怖い顔じゃなくて、穏やかで柔らかな顔をして。
「今日はごめん、水野さんに言いたくて仕事を頼んだんだ。僕と付き合ってくれないか?」
なんとなく予測できていた言葉だから、驚きはしなかった。今日の松原主任の様子は、あまりにも不自然だったから。
「はい、仕事が終わったら送ってくださいね」
笑顔で返して、テーブルの上のカップへと手を伸ばした。
コーヒーは冷めてしまったけど私は……
まだ熱を持ち始めたばかり。
- 完 -
