Be happy!

社内に適齢期な男性はたくさんいる。
その中で思いついてしまったのは、高嶺の花的な存在の松原主任。


私たちと同じ課で、昨年主任になった三十五歳。きりっと締まった男らしい顔立ちに、切れ長の目をした男前。
だけど無愛想で人を寄せ付けにくい印象のためか、女っ気はあまりない。



「あれ? 早速誰か浮かんだ?」
「いいえ、誰も」



ぶんぶんと頭を振って、グラスを手に取った。



顔を上げたら、店内の端の方にカップルの姿。顔を見合せながら手を繋ぎ、出口へと向かう二人に見覚えがある。



私が着ないようなふわりとしたスカートの裾を気にしながら、隆太に手を引かれていく。歩調に合わせて軽やかに揺れる巻き髪を、空いた手でくるくると遊ばせて。



振り返った隆太に、満面の笑みで返す。
フェミニンな雰囲気を纏った可愛らしい女の子。



私とは全くタイプが違う。



「結衣ちゃん、どうした?」



私の視線を追って、麻美さんが問い掛ける。




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