空の誓い、海との約束
「マリーから聞いた話では、視察や散歩でのお忍びというより、冒険を求めての悪戯と言う感じかしら?」

 楽しそうに微笑む陛下から目を逸らし、僕は俯いた。陛下と比べて子ども過ぎる自分が恥ずかしくて、どう話したら良いか分からなかった。

「多少強引で我儘な行動だったかも知れないけれど。でも、何かを見たい、知りたいというその行動力は大切にすべきよ。シエル位の年頃なら尚更ね」

 陛下は優しい言葉をかけてくださる。それが辛くて、僕は思い切り首を横に振った。

「違うんです」

「違うって、何が?」

 僕は深く深く俯いた。恥ずかしくて消えてしまいたくなった、けれど。

「……僕はただ、自由が、欲しかったんです」


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