空の誓い、海との約束
 と、唐突に耳元に囁かれた言葉。

「ねえ、シエル。ご両親に、この子は忌み子なんかじゃなかった、居てくれてよかったって思わせてみたくない?」

 どこか挑戦的な、それでいて楽しそうな、陛下の声。

「……え?」

 僕は驚いて顔を上げた。悪戯っ子のような眼で陛下が笑っている。

「欲しくないなんて言って悪かった、この子は私達の誇りだって、言わせてみたくない?」

 居てくれてよかった、私達の誇りだ。そんな事、二人が言うはずない。

 ああ、でも。そう言ってもらえたら、どんなに良いだろう。

「言って、もらいたいです。でも」

 そんな事が出来るだろうか。

「私、シエルならそれができると思うの」

 胸中で呟いた疑問に、陛下は力強く答えてくれた。嬉しいと同時に、

「……リフって人と同じ瞳の色だからですか」

 捻くれた質問が口から出た。ほんの少し、彼に妬いている自分に気付いた。

「違うわよ」

 陛下はひらひらと手を振りながら楽しそうに笑った。


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