空の誓い、海との約束
 ゆえに同じ瞳を持つ者は国を滅ぼす悪の化身だという迷信が広まり、以後数十年の間、老若男女問わず海色の瞳をしている者は問答無用で処刑されたという。

 珍しい色だった分、その主張はもっともらしく聞こえただろう。

「だからだったんだ」

『大臣たちの言う通り、忌み子として処刑しておけばよかったのですよ』

 母上の侍女があんな事を言ったのは。

「父上が大臣たちの言う事をきいていたら、僕は生きていなかったんだ」

 歴史の本に載っている、瞳の色ゆえに火刑に処されている人の挿絵を見てぽつりと呟いた。父上が生かしてくれなければ、僕もこうなっていたかもしれない。

「こんな時代もあったんだ……僕は父上に感謝しないといけないな」




 レシュノルティアの女王が婚姻するに当たって過剰な儀式が課せられている理由も分かった。

 同じく何百年も昔、レシュノルティアの女王に婿入りした他国の王子が実は、戦わずしてレシュノルティアを手中に収めるべく送り込まれたスパイだったという。

 結局陰謀は成功しなかったもののレシュノルティアは陥落寸前まで追い詰められ、その後周辺諸国を巻き込む戦争に突入した。



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