空の誓い、海との約束
 子ども過ぎてつり合わないと反対した?

 こんな餓鬼にエミリア様を任せられないと嘆いた?

 それとも――

 僕は船室の小さな窓を開けた。爽やかな潮風が頬を撫でる。眩しい陽光が光の粒を青い海原に散りばめる。

 右手を胸に当て、僕は目を閉じた。彼が亡き人だという事は分かっている。身勝手な感傷かもしれない。

 それでも、同じ瞳を持ち、同じ女性を好きになった彼に誓いたかった。

 この海に居る、貴方へ。

 僕は、エミリア様が貴方と交わした約束を、彼女と共に生涯果たして行きます。

 そして、貴方が命を掛けて護った女性(ひと)を生涯愛し、護り抜く事を――

「誓います」




 夜会が始まる前、エミリア様の部屋に呼ばれ細かな打ち合わせと夜会の進行手順の最終確認をした。ついでに衣装のチェックも。

 大きな鏡に映るエミリア様は相変わらず綺麗だ。薄水色のドレスを纏った外見の美しさはさることながら、何とも言えない輝きを放っておられる。内から滲み出る何か、というか。

 と、その横に居る自分を見て僕はげんなりする。

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