空の誓い、海との約束
母と子
 夜会が終わり、列席した紳士淑女の面々から祝福の言葉を受けた後、エミリア様はダグラスや大臣達と共に別室へ入って行った。

 広間からの退出時に『私の部屋で待ってて』とエミリア様に言われたので、僕はマリーと二人で彼女の帰りを待っている。

 緊張でほとんど夕食を食べられなかった僕を気遣って、マリーは軽い夜食を用意してくれた。

「本当に立派でございましたわ、シエル様。歴史に残るであろう、素敵なプロポーズでした」

「ありがとう」

 褒められて嬉しいと同時に、そこまで言われると何だかこそばゆい。照れ隠しに僕はせっせとスープを口に運んだ。

「それに、シエル様があの子の想いを陛下に伝えてくださって、私本当に嬉しかったんです」

 ふと、僕は顔を上げた。マリーが彼の事を『あの子』と呼んだ事が妙に気になった。

 そういえば、最初に彼の話をしてくれたのはマリーだ。真面目で努力家の良い子だったと。

 一体二人はどういう関係だったんだろう。

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