空の誓い、海との約束
「結婚六年目にしてやっと、男の子に恵まれました。ですがその子は、産まれた翌日亡くなってしまったんです」
やっと授かった子どもの死。母親にとってそれはどんなに辛い事だろう。
「御姑様から手酷い扱いを受けました。お前はうちの血筋を絶やそうとしている悪女だと。主人にも跡継ぎを産めない女は要らないと言われ、その日のうちに離縁されました。息子の亡骸と共に着のみ着のままで追い出されて」
マリーの声が震えた。
「……息子と一緒に海で眠ろう。そう思って、入水しようとしたんです」
思わず想像して息が止まった。胸が潰れるような悲しみを経験した上に体も心も打ちのめされたマリーが、息をしていない我が子を抱いて紺碧の海へ身を躍らせる姿を。
「丁度その時、国王陛下――エミリア様の御父君の御一行が視察で港におられたのです。私は気がついた時には王宮に居て、王妃様が優しく看病してくださいました。陛下は息子を手厚く葬ってくださって……それ以来王宮で御仕えし、今に至ります」
マリーはハンカチで目元を押さえた。
「リフが十八で王宮に上がった時……もし生きていれば、あの子はこの子と同じ歳になっていた。そう思ってリフに息子の姿を重ねていたんです」
やっと授かった子どもの死。母親にとってそれはどんなに辛い事だろう。
「御姑様から手酷い扱いを受けました。お前はうちの血筋を絶やそうとしている悪女だと。主人にも跡継ぎを産めない女は要らないと言われ、その日のうちに離縁されました。息子の亡骸と共に着のみ着のままで追い出されて」
マリーの声が震えた。
「……息子と一緒に海で眠ろう。そう思って、入水しようとしたんです」
思わず想像して息が止まった。胸が潰れるような悲しみを経験した上に体も心も打ちのめされたマリーが、息をしていない我が子を抱いて紺碧の海へ身を躍らせる姿を。
「丁度その時、国王陛下――エミリア様の御父君の御一行が視察で港におられたのです。私は気がついた時には王宮に居て、王妃様が優しく看病してくださいました。陛下は息子を手厚く葬ってくださって……それ以来王宮で御仕えし、今に至ります」
マリーはハンカチで目元を押さえた。
「リフが十八で王宮に上がった時……もし生きていれば、あの子はこの子と同じ歳になっていた。そう思ってリフに息子の姿を重ねていたんです」