空の誓い、海との約束
「こんな事なら四年欲しかったな……」

 ダグラスが誰かに呼ばれて席を外した後、僕は彼の言いつけ通り説明書にざっと目を通した。

 大まかに分けて儀式は四つに分かれている。まあ、その一つ一つに細かい儀式があるようだけど、それは追々頭に入れることにする。

 最初は誓約の儀。これに割かれているページ数、約四分の一。

 儀式はレシュノルティアに向かう前、自国に居るうちから始まる。言うなれば、エミリア様が『伴侶となる者に自由だけではなく事実上祖国さえも捨てさせるのに』と言っていた、あれだ。

「うわー、何これ。毒薬拝受の儀って、いつの時代の遺物?」

 次は調印の儀。これに割かれているページ数、約四分の二。

『下手な真似したら殺す』という内容を格調高く表現した脅迫をひたすら承諾し、サインして動かぬ証拠とする儀式。一番気が滅入りそうなやつだ。

「一体何日かかるんだろう、これ……」

 続くは婚姻の儀。割かれているのは残り四分の一のさらに四分の一。

 一番分かりやすく、一番幸せな部分かも知れない。王宮内での結婚式と、国民と祝う祝賀会について。

「へえ、挙式は意外に普通だね。兄上達の時より質素で気楽かも」

 最後、残る部分は初夜の……

「初夜の儀ぃ!?」

 大声で叫んでしまってから口を塞いだ。

 ダグラスが居なくて良かった。今、僕は真っ赤になっている。

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