空の誓い、海との約束
「なんだ、この儀式は……」
恐々とページをめくる。
「えーと、誓約の儀の時に受けた毒薬の瓶を初夜の前に託す事で、伴侶が自らに関する全権を女王に献ずる儀式。侍医と側近数名が床入りを見守り、世継ぎを成す能力の有無を精査する――って、ちょ、全部見られるわけ?」
愛しい人との。初めての夜を。一部始終。チェックされる、のか。
「世継ぎが絶対必要なのは分かるけど、そこまでしなくても……」
嫌な汗をかきつつ読み進めた先に、さらに衝撃の事実。
「相応の期間に世継ぎを生せず、侍医による精査の結果今後懐妊が望めぬと判断された場合、伴侶である者は全ての責を負う。贖罪の為、女王より授けられる毒杯をもって死を甘受すべし……って、この結婚、超命懸け?」
レシュノルティア王家の女性は離縁を許されていない。しかも女王は絶対に世継ぎを産まなければならない。
その両方の規律を守るため、子をなせなかった伴侶はすべての責任を負い、女王の手による毒杯を受けて表面上『名誉の死』を遂げ、女王は新たな伴侶を娶って世継ぎを興さねばならない。
『プライドの高い奴には屈辱と思えるような儀式』
聞いてはいたけれど、想像以上だ。自分を捨てる覚悟が無ければ伴侶にはなれないとダグラスが言っていた意味が、ようやく分かった。
げんなりして、僕はテーブルの上にぱたんと伏す。
恐々とページをめくる。
「えーと、誓約の儀の時に受けた毒薬の瓶を初夜の前に託す事で、伴侶が自らに関する全権を女王に献ずる儀式。侍医と側近数名が床入りを見守り、世継ぎを成す能力の有無を精査する――って、ちょ、全部見られるわけ?」
愛しい人との。初めての夜を。一部始終。チェックされる、のか。
「世継ぎが絶対必要なのは分かるけど、そこまでしなくても……」
嫌な汗をかきつつ読み進めた先に、さらに衝撃の事実。
「相応の期間に世継ぎを生せず、侍医による精査の結果今後懐妊が望めぬと判断された場合、伴侶である者は全ての責を負う。贖罪の為、女王より授けられる毒杯をもって死を甘受すべし……って、この結婚、超命懸け?」
レシュノルティア王家の女性は離縁を許されていない。しかも女王は絶対に世継ぎを産まなければならない。
その両方の規律を守るため、子をなせなかった伴侶はすべての責任を負い、女王の手による毒杯を受けて表面上『名誉の死』を遂げ、女王は新たな伴侶を娶って世継ぎを興さねばならない。
『プライドの高い奴には屈辱と思えるような儀式』
聞いてはいたけれど、想像以上だ。自分を捨てる覚悟が無ければ伴侶にはなれないとダグラスが言っていた意味が、ようやく分かった。
げんなりして、僕はテーブルの上にぱたんと伏す。