空の誓い、海との約束
王子と囚人
「罪人で、賤民……?」

 鸚鵡返しに問う僕に、ジョイは淡々と頷いた。

 賤民とは最底辺の身分の人達を蔑んだ呼称だ。どうやら、マリーとジョイの彼に対する評価は真逆らしい。

 マリーは彼の話をした時、昔を懐かしむ優しい表情をしていたけれど、賤民という表現からしてジョイは彼を良く思っていないようだ。

「彼が罪人だっていうのは、瞳の色のせい?」

 僕と同じように忌み子扱いされてるのかと思って尋ねた。でも、ジョイはきっぱりと首を横に振った。

「彼が犯した罪は我が国では死罪にあたります。彼はれっきとした犯罪者です」

 彼はもう王宮には居りません、と前置きしてからジョイは話しだした。

「当時、一衛兵だった私は北塔の牢に看守役として詰めておりました。その頃、彼が収監されてきたのです」


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