空の誓い、海との約束
◇ ◇ ◇
「――そのすぐ後に御世継ぎである女王陛下が御生まれになりました。その為彼は恩赦に浴し、減刑されて生き延びたのです」
ジョイは険しい表情のままそう語った。
「何故彼が恩赦に浴せたのか、そして何故前国王陛下に御目を掛けられたのかは、私には分かりません。前国王陛下は御心が広く御人が良かったので、上手く取り入ったのかも知れません」
自分と同じ瞳をした彼が実は悪人だったというジョイの話を聞いて、僕は動揺を隠せなかった。
マリーは彼を褒めた。真面目で忠実な人物だったと。
ジョイは彼を責めた。財を奪うのみならず人を殺めた罪人だと。
何だか頭が――気持ちが混乱している。僕は俯いたまま黙っていた。
「私が申し上げるまでも無いことですが、瞳の色が同じというだけで、彼とシエル様は別人でございます。彼の悪行にシエル様が御心を乱される必要はございません。マリーが申していた通り、シエル様は純粋で利発なお方でございます」
僕の動揺に気付いたのか、ジョイは表情を緩めてフォローしてくれた。
「うん、分かってる。話してくれてありがとう、ジョイ」
笑顔でそう言いつつ、ジョイから聞いた彼の話は僕にとって鉛みたいに重かった。