空の誓い、海との約束
海色の瞳と悪だくみ
夜会が開かれる前日、僕達一行はレシュノルティアへ向かった。海を渡っている半日間、僕はずっと船室に篭って天井を見つめていた。
海はあんまり好きじゃない。というより、海の色が好きじゃない。僕の瞳と同じ色を見ていると、気が滅入る。
僕の国では、海色の瞳は珍しい。皆、翠か琥珀の瞳をしている。珍しいものは重宝されることもあるけど、逆に嫌忌の対象になることもある。僕の場合は後者だった。
世間ではゴシップ誌の片隅に『忌み子誕生?』みたいなタイトルで書かれた程度で、さして大きく騒がれる事は無かった。
ただ、母は宮廷内で不義密通を疑われて大変だったらしい。側近が尋問まがいの調査を受けたり、『望みもしないのにシエルが出来てしまった』日を逆算して、その頃父上と何度寝たか確かめられたり。
結局共寝の事実が確認されて、『過去にそういう先祖がいたのだろう』っていう結論で解決した。それでも陰では『シエル様は陛下のお子では無いらしい』と噂されていた。実際僕も聞いた事がある。
母が僕を表舞台に出したくないのは、そういう理由もあるんだろう。欲しくもなかった忌まわしい子に、自分の体面を傷つけられるのが嫌なんだろう、きっと。
だから、海の色は嫌いだ。
溜息をついて、僕はソファにうつ伏せになった。作法指南役がくどい程説明してくれた手順をもう一度おさらいする。
海はあんまり好きじゃない。というより、海の色が好きじゃない。僕の瞳と同じ色を見ていると、気が滅入る。
僕の国では、海色の瞳は珍しい。皆、翠か琥珀の瞳をしている。珍しいものは重宝されることもあるけど、逆に嫌忌の対象になることもある。僕の場合は後者だった。
世間ではゴシップ誌の片隅に『忌み子誕生?』みたいなタイトルで書かれた程度で、さして大きく騒がれる事は無かった。
ただ、母は宮廷内で不義密通を疑われて大変だったらしい。側近が尋問まがいの調査を受けたり、『望みもしないのにシエルが出来てしまった』日を逆算して、その頃父上と何度寝たか確かめられたり。
結局共寝の事実が確認されて、『過去にそういう先祖がいたのだろう』っていう結論で解決した。それでも陰では『シエル様は陛下のお子では無いらしい』と噂されていた。実際僕も聞いた事がある。
母が僕を表舞台に出したくないのは、そういう理由もあるんだろう。欲しくもなかった忌まわしい子に、自分の体面を傷つけられるのが嫌なんだろう、きっと。
だから、海の色は嫌いだ。
溜息をついて、僕はソファにうつ伏せになった。作法指南役がくどい程説明してくれた手順をもう一度おさらいする。