空の誓い、海との約束
 陛下の後ろにはダグラス老人が控えている。相変わらず威厳のある佇まいだ。こう、鎧とか着せてみたくなる。

 僕は陛下と向き合って座った。目があって微笑まれ、再び心臓が忙しく動き始める。

 気を抜くとつい、ネックレスの下の魅惑的な双峰へと目が行ってしまう。この助平め、と自分を心中でひっぱたいておいて、僕は陛下の言葉を待った。

 お茶の準備も整い、会話が始まるはず……なのに待てど暮らせどお声が聞こえない。僕はちらりと陛下を見遣った。

 陛下は黙って僕を見つめていた。懐かしそうな、どこか寂しそうな、あの時と同じ瞳で。

「あの……」

 長すぎる沈黙に耐えきれず、僕は自分から口を開いた。

「僕の目、そんなに変ですか」

「ううん」

 陛下はテーブルに両肘をついて僕を見つめ続ける。いや、きっと僕を通り越して誰かを見ている。

「ただ、懐かしいなと思って……」

 ポツリと呟いた陛下の言葉に、僕はずっと聞きたかった問いを投げ掛けた。

「もしかして、陛下のお知り合いのどなたかに似ているとか?」


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