空の誓い、海との約束
 王子として成さねばならぬ事の、何もかもが面倒だ。

 何処かへ、行きたい。もっと自由に振る舞いたい――

 ふと、僕の頭に良い考えが浮かんだ。勢い良く起き上がり、計画を練りながら仕度する。

 付いてきた作法指南役にこっぴどく叱られるだろうけど、構うもんか。

「シエル様、港に到着致しました」

 付き人が呼びに来た。

「お支度はよろしいですか」

 よし、作戦決行。

 ほんの一、二時間自由時間を貰うだけ。本当なら脱走したい位なんだから、逆に感謝して欲しい。

「参りましょう」

 僕は俯きがちな大人しい王子の仮面の下で、にんまりと笑った。


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