空の誓い、海との約束
 人と荷物の間を縫いながら、僕は振り返らずに走った。息が切れて立ち止まった頃には、船着場から割と離れた場所に居た。

 どうやら、付き人達を上手く撒けたみたいだ。

 とりあえず、陽が傾く前には船着場に戻ってあげよう。大きな達成感と微小な罪悪感をポケットにしまい、僕は海に背を向けて歩き出した。

 どんどん歩いて行くうちに、大きな通りに出た。一区画先に人だかりが見えたので、そこへ向かってみた。

 子ども達が並んで何かを受け取っていた。袋に入った、白いふわふわしたものだ。あれは、何だろう。

「ありがとう、エマ様!」

 満面の笑みで子ども達は誰かに感謝している。既に受け取った子の一人は、袋から白いふわふわを取り出して口に入れている。すごく幸せそうだ。

 見た限り、受け取れるのは小さな子どもだけのようだ。それでも、どうしても白いふわふわが気になった僕は、手渡している人の方に近づいて見た。


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