とろける恋のヴィブラート
「どうして……柴野さんがこれを?」
混乱が混乱を呼び、奏の頭の中は真っ白になった。信じたくない事実が目の前にある。
「奏、謝らなきゃいけないのは……僕だ」
奏は、何度も何度もメモに書かれている内容を読み直した。何度読み返しても、それは美香の机の上に置かれていたはずのメモだった。
(嘘……柴野さんが……まさか)
震える指先が冷たくなっていくのがわかった。その指先からするりとメモが床に落ちる。
「柴野さんの話したいことって、もしかしてこのことだったんですか?」
「……あぁ、そうだよ。メモがなくなって、トラブルになれば君はきっと僕に頼るだろうと思った。実際、僕に相談してくれればいくらでもジャズ演奏者なんて紹介できたのに……」
柴野は、床に落ちたメモ紙を拾い上げ、ぐしゃっと握りつぶすとゴミ箱へ捨てた。
混乱が混乱を呼び、奏の頭の中は真っ白になった。信じたくない事実が目の前にある。
「奏、謝らなきゃいけないのは……僕だ」
奏は、何度も何度もメモに書かれている内容を読み直した。何度読み返しても、それは美香の机の上に置かれていたはずのメモだった。
(嘘……柴野さんが……まさか)
震える指先が冷たくなっていくのがわかった。その指先からするりとメモが床に落ちる。
「柴野さんの話したいことって、もしかしてこのことだったんですか?」
「……あぁ、そうだよ。メモがなくなって、トラブルになれば君はきっと僕に頼るだろうと思った。実際、僕に相談してくれればいくらでもジャズ演奏者なんて紹介できたのに……」
柴野は、床に落ちたメモ紙を拾い上げ、ぐしゃっと握りつぶすとゴミ箱へ捨てた。