とろける恋のヴィブラート
「まさか、あの話し合いの最中に御堂が乱入してくるなんて……ふふ、予想外の展開に僕も焦ったよ」


「そ、んな……美香だって、ずっと自分の事を責め続けてたんですよ!? 柴野さん……どうしてこんな事……」


「奏、君をもう一度振り向かせるきっかけが欲しかったんだ。許してほし――っ」


 刹那――。


 パンっと頬を打つ乾いた音が部屋に響いた。


「ひどい……」


 反射的に奏は柴野の言葉が終わる前に頬を叩いていた。


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