とろける恋のヴィブラート
(うわ! ひ、ひどい顔……)


 奏は、自分の顔が映し出された鏡を前に化粧室でがっくりうなだれた。そして、胸に残っているわだかまりも全て洗い落とすように、一旦メイクを全部落とし、ばしゃばしゃと顔を洗った。


(仕事に集中しなきゃ……あ、メール?)


 バッグの中で携帯のバイブが鳴っているのに気づくと、奏はそれを開いた。
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