とろける恋のヴィブラート
「今日はドレス買ってくれてありがとうございました」


「いいんだって、残念ながらパーティー当日は、夕方から夜にかけて会議があるんだ。ほんとは僕も主任として……奏の綺麗なドレス姿、見たかったんだけどな」


 柴野はぎゅっと奏の身体を引き寄せ、耳元で囁くように言うと小さく笑った。


「それって主任として、じゃなくて興味本位で……ですよね?」


「あはは、それもある」


 そう言うと柴野は笑って、奏の頭をぐしゃっと撫でた。


「も、もう……んっ」
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