ブラックレター~高嶺の花に恋します~
夜の風で少しは引いたはずの顔の熱が戻ってくる。
彼を思うだけで、その姿を思い出すだけでぶり返す体の熱。心地いい痛み。
頭の中は彼の姿や声でいっぱいだ。
自分の顔は今絶対に赤くなっている自信がある。
だって目の前の絢子の顔が、ムカつくくらいにやけているもの。
でも、何も言い返すことは出来ない。
「ふふふー!ね?見に来てよかったでしょら」
「…うん。絢子、ありがと」
なんだかんだで感謝しているのだ。
ここまで連れ出してくれた絢子には。
きっと一人では勇気がなくて見に来ることが出来なかった。
そうしたら、今回のあの人の姿を知ることは出来なかったから。
きっと後悔していたから。
だから、とてもとても感謝している。