ブラックレター~高嶺の花に恋します~
正直、これ以上好きになることはないと思っていた。
それくらい、すでに私の心は彼に奪われていたから。
でも違ったのだ。まだまだ甘かった。
真っ直ぐに前を見つめる瞳も。
ちょっとした台詞を言うときの声も動作も。
時折上がる口角も、細められる瞳にもくらりと目眩がした。
ちらりちらりと見える首筋や腕の色気といったらない。
後ろ姿の格好よさはもはやラスボスレベルで。
戦闘服を着てきたはずなのになんだか負けた気分。
それくらいずっとドキドキしながら見ていた。
心臓はバクバクと音を鳴らし続けていたし、涙腺は壊れそうだった。
きゅっと胸の奥が苦しくなって、もっともっと好きになった。
(思い出すだけで、顔が熱い…)