お向かいさんに恋をして
「あ、あれ? 波江さん?」

大爆笑しているきなこちゃんの声に、お連れさんがこちらに顔を向け、私の名前を呼んだ。

私は驚き、彼の顔をじっと見つめた。
あ……! この人っ!

酔っぱらい事件の時に留奈さんが呼んでくれたお兄さん!

「日野さんっ! 先日はありがとうございました! 助かりましたっ!」

頭を下げると

「ああ、対したことないよ。それより波江さんが大変そうだったけど、大丈夫だった?」

「はい、大丈夫ですっ!」

笑顔を浮かべて元気に無事アピールする。本当は大丈夫じゃないけど、無駄に心配をかけることもない。

「さくら、日野さんと知り合いなのかっ?!」

「さくらちゃん、何事?!」

二人が私に顔を近づけて、グイグイ聞いてくる。

「えと、日野さんはアパートのお隣さんで、この前困った時に助けてくれて……!」
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