運命のように君を愛してる~先生との赤い糸~


【瑠佳】


おばさんは、私の話を最後まで聞いてくれた。

「最低ですね…私」

…『愛人の子』だと言われて、母さんのことなに一つ知らないのに勝手に恨んでいた。

私が過去にやってきた事は、義父さん…あの人と同じ。

あの人と血が繋がってなくても、私たちは”親子”なんだ。

「ごめんね、…母さん…父さんっ…。私は『あんな男の娘』だったんだ!」


その時だった―――


―――ガチャ。

突然ドアが開いて、2人の男がリビングに入って来た。

「違う!!お前は俺と瑠美の”娘”だ!」

「少し落ち着け、佳宏。瑠佳ちゃんが驚いてるだろ」

「親父、おじさん。…今の話聞いて…」

「すまない、陸。少し前が淳と一緒に廊下で話を聞いてた」

「佳宏…」

おばさんは、父さんを心配そうに見る。

「…今さら、『俺が瑠佳に逢う資格があるのか?』って。27年前なにもしなかった俺に…!」

「…っ!」

私は気づけば、その場を立ち上がって父さんの胸に飛び込んでいた。

「…それは私が言いたいわ。今さらでもいい!私は『あなたの娘』だって名乗りたい。だって、私は母さんと父さんが愛し合っていた『唯一の証』なんでしょ?」

「…ああ、そうだったな。“瑠美”と“佳宏”で“瑠佳”。…ったく、あいつは。本当に俺を愛してくれたんだな」

「父さん…」

「今まで辛い思いさせてごめんな、瑠佳」

そう言って、父さんは私を暖かく抱き締めてくれた。

黙って見守ってくれていた、おばさんがある箱を父さん前に差し出す。

「佳宏、これを瑠佳ちゃんに…」

「どうして、空がこれを…」

父さんは目を大きく開いて、それを見た。

「ずっと瑠美から『捨てられないから…』って、私が預かっていたの」

それは、シルバーに輝くシンプルで可愛いブレスレット。

「母さんの…」

「俺が瑠美にプレゼントした物だ。…瑠佳、お前に持っててほしい」

そう言いながら、父さんは私の腕にブレスレットを付けてくれた。

「…いいの?だって、母さんの形見…」

「俺には、これがあるからいいよ」

父さんは、ネックレスに通してある二つのベアリングを見てくれた。

「お前、まだそれを持ってたのか?」

「ああ、どうしても瑠美を忘れられなくて…おかげで今も俺は独り身だ」

「佳宏、相変わらず…お前は瑠美一筋だな」

「あら、淳。それを言うなら瑠美も一緒だったわよ?」

そう言いながら、3人は楽しそうに笑っていた。


「…良かったな」

「うん」

陸にそう頷いて、無意識にお互い手を繋いでいた。


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