運命のように君を愛してる~先生との赤い糸~


9月の中旬。


陸は私と結ばれてから、よくウチに来るようになった。

【仁田陸:今日、母さんと親父が帰り遅いから
夕飯を作ってくれ~~~!!】

「…ったく、しょうがないわね…」

陸の両親は大手の『GWホテル』を経営してるだけに、週に2、3日しか帰れないらしい。

でも、毎日お母さんから電話がかかってくるらしく仲はなんだかんだ良いみたい。

【今日はなにがいい?】

携帯を打って、メールを返信する。

【仁田陸:カレーとサラダ。
それと…瑠佳】

「ブッ」

返信の最後の一文に思わず、噴き笑いをしてしまった。

「…今時の女子は引くわよ。バカ陸」

「…お前、なにをブツブツ言ってんの?」

突然、声をかけられ振り向くと枢がいた。 

「うわぁ、おはよ…」

「おはよ、なにをそんなにビックリしてんだよ」

「なんでもないわよ」

そう言いながら、携帯を鞄に戻した。

「瑠佳」

「なに?」

「朝のHRの前に大事な話がある」

枢はいつも通りも真剣な顔をして言った。





国語準備室。


「…んで、『大事な話』って?」

「俺、お前から出生の話を聞いて、ちょっと気になって調べてみたんだ。―――実の親父さんのこと…」

「っ…!」

あまりの展開に息が止まりそうになった。

「勝手な事をしてごめん。…でも、瑠佳は『真実』を知っとくべきだと思うから…」

「…『真実』?」

「この写真を預かって来た」

枢はポケットから、1枚の写真を取り出して私に渡す。

そこには、高校制服姿の4人男女が仲良さそうに映っている。

1人は母―――瑠美。

そして…

陸のウチで教えてもらった、今の彼によく似ている父――仁田淳(じゅん)とボブ系の黒髪した母―――仁田(旧姓:野津田(のつだ)空(そら)。

「母さんの隣にいるのが…」

私が震える声で言う。

「今は『GWホテル』の副社長で、お前の実の父親―――津田佳宏(つだよしひろ)。…瑠佳、津田さんと瑠美さんは相思相愛だったらしい」

「…じゃあ、なんで義父さんと…」

「それは、お前と逢った時に話してくれるそうだ」

「ごめん。ちょっと時間をちょうだい…」

「ん、逢いに行く時は言って。もし、1人で不安なら俺も優姫も着いて行くから…」

「うん、わかった…」

私がそう言うと、枢は準備室を出て行った。

「うつつ…ひっく…」

準備室で1人になった途端、なぜか涙が溢れた。

…『津田さんと瑠美さんは相思相愛だった』

本当なの?母さん。

いったい、2人になにがあったの!?

もう、なにがなんだかわからなかった。

でも…一つだけ、すぐにわかった事がある。

“瑠美”と“佳宏”から一文ずつ取ると“瑠佳”になる。

2人がただの『愛人』なら、この名前をつけるはずがない。

「…そうでしょ?母さん、父さん…」

私は写真の中に映る2人にそう問いかけた。

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